『カーマは気まぐれ』は陽気な恨み節だった。アラフィフで聴き直すBoy George & Culture Club

ミニマリストおばさんの身軽な推し活

再燃したカルチャー・クラブ熱。

80年代の名曲をリピートしていたら、無償にイギリスの空気を感じたくなりブリティッシュ・パブに駆け込みました。

Boy Georgeはアイルランド系の家系だそうなので、「きっとパブではギネスを飲んでいたに違いない」と勝手に想像して、私もギネスを注文しました。

泡のてっぺんにアイルランドのシンボルの三つ葉があるの、わかりますか☘️?

そんなわけで、ギネスを飲みながら、カルチャー・クラブの名曲「Karma Chameleon(邦題:カーマは気まぐれ)」について考えてみました。

「カーマは気まぐれ」って、どんな歌?

私は昔、この曲を「自分のもとから離れたかと思えば、また戻ってくる、気まぐれな恋人に振り回される歌」だと思っていました。

なぜ「カメレオン」なのかというと、

「君の色が僕の夢と同じなら、愛することは簡単なのに」

という歌詞があるからです。

Boy Georgeには、彼自身の「色(Red, Gold and Green)」がある。

一方、恋人はカメレオンのように、状況によってしたたかに色を変える。

そんな相手に振り回されて傷ついているBoy Georgeの切ない気持ちの歌。

10代の私は、そんなふうに解釈していました。

……とはいえ、どっちかというとBoy Georgeのほうが魔性っぽい見た目だけどなあ、と思っていたんですけどね。

ところで、「Karma」が気になった

そして時は流れ、令和の今。

アラフィフのおばさんになった私は、ふと疑問に思いました。

そもそも、なんで「Karma」なんだろう?

カメレオンと語呂がいいから?

でも「Karma」って、ちょっと変わった名前ですよね。

調べていたら、あるYouTubeの解説動画にたどり着きました。

そこで知ったのが、「Karma」はカルマ、つまり因果応報を意味しているということ。

さらに、その解説では、この曲は当時Boy Georgeが交際していたカルチャー・クラブのドラマー、ジョン・モスとの関係が背景にあると説明されていました。

ジョン・モスはBoy Georgeと付き合いつつ、表では異性愛者として振る舞っていたと解説されていました。

まさにカメレオン。

恋人に振り回されて傷ついているけど、ただ「悲しい」と歌うだけではない。

「人をそんなふうに振り回していたら、いつか自分にも返ってくるよ」

という、意味が込められれているという解説でした。

なるほど、Karmaに込められた意味が、恋人への恨み節だったとは。

「なんで私ばっかり傷つかなきゃいけないの?」

「なんであの人は平気な顔してるの?」

「……まあ、いつか自分に返ってくるよね。」

そんなふうに思わないと、やってられない。

Boy Georgeの感情を込めすぎない歌い方のためか、「Karma Chameleon」を、単純な復讐の歌というより、傷ついた側が自分の心を守るために見つけた、ひとつの着地点のようにも感じました。

恨み節なのに、曲はめちゃくちゃ明るい

ここが、この曲のすごいところです。

歌詞の奥にあるのは、かなり切ない恋愛感情。

なのに曲は、明るくて、軽快で、踊れる。

PVもコミカルです。

人のお金やアクセサリーを盗んでいた男が、船の中でギャンブルをして、イカサマがばれて、最後には川に落とされる。

自分がしたことが、自分に返ってくる。

わかりやすく因果応報です。

しかも、船の名前はカメレオン号。

その一連の騒動を、Boy Georgeはどこか涼しい顔で見守っています。

ミシシッピの風景と、ブルースの「泣き笑い」

PVの舞台は、1870年のミシシッピという設定です。

古いアメリカ南部の風景に、カラフルなBoy George。

音楽的にも、レゲエを土台にしながら、カントリーやソウルなど、さまざまな要素が混ざっています。

私はそこに、ブルース的な「泣き笑い」の感覚も感じます。

人生はつらい。

恋愛もうまくいかない。

でも、それをそのまま悲しい顔で歌うのではなく、

「まあ、人生そんなもんだよ」

と笑い飛ばして、歌にしてしまう。

だから、あんなに切ない恋の歌なのに、聴いていると踊りたくなる。

そして、これを22歳で作った

ここまで考えて、最後に思うのが、

これ、22歳で作ったんだよね?

ということ。

恋人に振り回される切なさも、相手への恨みも、「いつか自分に返ってくるよ」という因果応報も、全部ひっくるめて、みんなが踊れるポップソングにしてしまう。

すごい。

22歳で、こんな複雑な感情を、こんなにポップな形にできるのか。

Boy Georgeって、やっぱりかなり早熟だったんだなあと思います。

そして、改めて思う。

どっちかというと、Boy Georgeのほうが恋人を振り回しそうなのにね!

あんなに派手で、堂々としていて、カラフルな人が、歌の中では「君は来たり、去ったり」と恋人に振り回されている。

そのギャップが、Boy Georgeの魅力です。

昔はただの「懐かしい80年代のヒット曲」だった「Karma Chameleon」。

50歳になった今聴くと、

「そう思わないと、やってられないよね。」

そんな、少し切なくて、少し意地悪で、それでも最後には踊れてしまう歌に聴こえます。

本日の推し活費用

  • ギネス2杯 1,400円
  • カレーブルスト 1,100円 

合計2,500円でした。

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