『失敗の科学』にぐうの音も出ない私が、クローゼットの前で激しく引っかかった理由

ミニマリストおばさんの心が軽くなる本棚

皆さんは世界的ベストセラー『失敗の科学』を読みましたか?

私は先日読み終わったところです。 内容はもの凄く真っ当です。「人間は思い込みで動くし、記憶なんて当てにならないから、個人の注意力を上げるんじゃなくて『仕組み』でミスを減らそうね」という話。FP2級の冷徹な計算を好む私としても、正直ぐうの音も出ません。

……でも、しかし。 ページをめくりながら、激しく引っ掛かるものがありました。

「この本が言ってること、正しい。正しいんだけど……そもそも現実の人生って、そんなに綺麗に『失敗』って定義できなくない?」と。

今日は、この本が教えてくれる「フィードバックが効く世界」の限界と、私たちが日々を送る「正解のないグレーな世界」を身軽に生き抜くヒントについて語りたいと思います。

「失敗」を明確に定義できる職業にはお役立ち情報満載だけど……

この本に出てくる世界は、いわば「白黒がハッキリした世界」です。

  • 飛行機が墜落したら、100%失敗。
  • 医療事故が起きたら、100%失敗。

こういう世界では、「事故(失敗)が起きたから、原因を徹底追究して、仕組みを改善しよう」というPDCAサイクルがめちゃくちゃ美しく回ります。

でも、ちょっと振り返ってみてください。私たちが生きている日常の仕事や暮らしって、そんなに単純ですか?

  • 結果は悪かったけど、あの時点の判断としてはベストだったかもしれない。
  • 投資で儲かった(成功した)けど、プロセスはただの運で、かなり危ない橋を渡っていただけかもしれない。
  • 会社を辞めたこと、あの選択をしたこと。それが良かったのか悪かったのか、何年経ってもよく分からない。

そう、現実世界の大半は「これ、そもそも失敗だったの?どうなの?」すら後からよく分からない、グレーな世界なのです。

日常生活でケアレスミスはしょっちゅう、なんとかならんかなとこの本を手に取った次第ですが、私の中に残ったのは、「ミスを減らす方法」ではなく、「私たちが普段『失敗だ!』と一喜一憂しているものの正体って、実はものすごく曖昧なんじゃないか?」という強烈な違和感でした。

服選びは「失敗の要素」がギュッと詰まったブラックボックス

ただ、そんなグレーな世界において、身も蓋もないほど「失敗が明確に定義できる領域」が身近にひとつだけあります。

それが、私の洋服選びです。

よく、洋服で失敗してしまいます。試着がめんどくさくて通販で服を買うのですが、届いてみたら「似合わない」「思っていたのと違う」「肌触りが嫌」。 袖を通した瞬間に脳内に響き渡る、あの「なんか嫌」という強烈な違和感。そして自然とタンスの肥やしに。これこそが言い訳のしようがない「100%明確な失敗データ」です。

なぜ同じ過ちを繰り返すかといえば、「過去の失敗(なんか嫌だった記憶)を都合よく忘れ、今回はこれが似合うはず、これを買ったらオシャレになれるはず、と自分に都合よくバイアスがかかるから」です。本に書いてある通りのエラーを起こしているわけです。

だからこそ、著者が説く「闇雲に行動するのではなく、きちっとデータをとって分析して次に繋げる」というのは本当に大事なポイントだなと思います。

「なんか嫌」という明確なエラーを無視せず、自分に似合う服や髪型、メイクをきちっと研究して、一度自分のワードローブを客観的に分析してみる。個人の「なんとなくの勘」に頼るのをやめて仕組み化を試みる価値は、クローゼットの中にこそあります。

では、具体的にどうやってその仕組みを作るべきなのか? 結論から言えば、「自分のセンスを信じるのを完全に諦めて、服選びに関してはプロ(第三者)の手を借りる」。これが、私たちが今すぐやるべきことです。

揺らぐ心に「物差し」を。プロの診断が「最強の投資」である理由

「たまには冒険したい」と心が揺らいだときこそ、骨格診断パーソナルカラー診断というプロの客観的な目が、あなたをドブ金から守る最強の防御壁(仕組み)になります。

自分の意志の力や、曖昧な反省だけでコントロールしようとせず、プロという「動かない物差し」をクローゼットに1本通しておくことには、極めて合理的なメリットがあります。

  1. 「なんか嫌」になる服を事前に100%遮断する 「たまにはピンクが着たい」となったとき、自分の主観だけだと間違ったトーンを選んで顔色を土気色にしてしまいます。しかし、「私はパーソナルカラーが〇〇だから、このトーンのピンクなら大ケガしない」というプロ(第3者)のデータがあれば、冒険をしながらも大失敗を完全に防げます。
  2. トレンド(流行)を自分に引き寄せてハックできる 流行りのシルエットが「骨格的にどうしても事故る形」なら、プロのアドバイスをもとに「小物の色でトレンドを取り入れる」「素材感だけを流行に合わせる」といった、大ケガをしない回避ルートを瞬時に導き出せます。
  3. 無駄な出費をなくす一生モノのフィルター 診断費用は一見、高く感じるかもしれません。しかし、通販で衝動買いして数回しか着なかった「タンスの肥やし」数着分のコストで、この先一生使える「自分専用の服選びマニュアル」が手に入ります。FP的な費用対効果(ROI)で見ても、これほどコスパの良い投資はありません。

「失敗の定義」に振り回されるから、暮らしが重くなる

服の失敗は「なんか嫌」の一択で明確だから、プロの力を借りてデータ化すればいい。 ですが、世の中の多くの人は、それ以外の「正解のない人生の選択」に対してまで、ちょっと完璧主義すぎる気がします。

「失敗したくないから、絶対に損をしない選択肢をギリギリまで調べ尽くす」 「過去のあの選択は失敗だったと、いつまでもクヨクヨ悩む」

でも、『失敗の科学』の前提すら揺らぐような「正解のない現実世界」において、それは時間の無駄であり、精神のサンクコスト(埋没費用)を払い続けている状態です。

「失敗の定義」そのものが曖昧な世界で、「正解」や「完璧な成功」を選び取ろうとすること自体が、実は暮らしや心を重くしている原因なのではないでしょうか。

じゃあ、白黒ハッキリつかないこの現実世界で、読者の皆さんが「無駄な損」をせず、身軽に生きていくにはどうすればいいのか。私はこの本を読んだ結果、逆に以下の3つの「身軽な開き直り」にたどり着きました。

「100点」ではなく「合格点」で即決する

失敗が定義できないということは、同時に「完璧な成功」も定義できないということです。 それなら、買い物でも、投資先でも、日々の選択でも、「そこそこ及第点、大ケガしなければオッケー」と割り切ってさっさと決める。プロの診断結果などを「大外ししないための物差し」として使いつつ、選択にかける時間とエネルギーをミニマルにするのが、一番コスパが良いです。

起きた結果に「失敗」というラベルを自分で貼らない

「あっちの会社に転職していれば」「あの時売っていれば」……そんな風に過去を振り返って「失敗した」と落ち込むのはやめましょう。 その時「これがベストだ!」と考えて行動したことに間違いはありません。それが紛れもないその時の正解だったのです。

「仕組み」は作る。でも「結果」には執着しない

人間の記憶や注意力は当てにならないので、家計の自動先取り貯蓄とか、持ち物の定番化といった「暮らしの仕組み化」はやるべきです。ここは『失敗の科学』に激しく同意します。 ただし、仕組みを作っても、予想外のトラブルや時代の変化で思い通りの結果が出ないことはあります。その時は「あ、フィードバックが効かない世界にいるんだな」と割り切って、ゲームのルールが変わったと思って淡々と次の手を打てばいいだけです。

まとめ:失敗は意外と曖昧。だから、もっと適当でいい。

『失敗の科学』は、ルールが決まった世界(航空、医療、将棋、一部の定型業務など)では最強のバイブルです。だから、洋服選びのように「エラーが明確なもの」に対しては、プロの手を借りてデータを取得し、仕組み化するアプローチがめちゃくちゃ効きます。

でも、私たちの日常や人生という泥臭い現実においては、「実はめちゃくちゃ曖昧な概念なんだな」と知っておくことの方が、よっぽど心を軽くしてくれます。

「やらかした!」と思っているその大半は、命に関わる航空事故ではありません。ただの「想定外のデータが1つ取れた」というだけのこと。

白黒つけられないグレーな世界だからこそ、人生の失敗の定義なんて適当にスルーして、身軽に、機嫌よく生きていきましょう。

以上、スナッピーの身軽な暮らし研究所でした。

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